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僕は何も言わずに後ずさった。
血まみれの背中…だと?!
よく見てみると…右側に羽がついてるやんけ…
もしかして…
僕は天井の絵を見た。
その絵の中心に描かれている、
羽のもがれた天使を。
まさかまさか、あの天使が…!!
「あ、あのー…大丈夫スか。」
一応、声をかけてみる。
…返事が返ってこない。
まさか…死…
いやいやいやいやいや!!!!!
お陀仏なわけないよな…!!
「すいませー…ん…生きてますか…」
僕は顔をのぞきこんでみる。
男だった。
…。
少しだけ女と期待した自分を憎みます。
男は白いワンピースのような服を着て金色のベルトをしていて、
足をみるとワンピースが少しはだけていて、
そこからは短パンが見えた。
でも羽…片方黒いけど。
セ●ィロス並に黒いけど。
「う、あ…」
「あ、起きた。」
観察をしていると男はうっすらと目をあけ、
横目で僕を見た。
「誰だ…あんた…」
「えっ、ああ…えっと、石田悠輔です…」
「石田、ちょい手かせ…」
「え、あ、はい。」
「ぃよっこらせ…いてて…!あ゛ー…背中いてぇ…」
天使(?)は親父みたいに立ち上がると背中の痛みに顔を歪める。
「ちょ、無理に動かない方が…!」
「うっせえよ。これぐらい平、気…じゃねえ!!!!!な、ななななな何で羽がねえんだ?!」
今更か。
「片方ねえし片方黒っ!!!堕天使になんかならなきゃよかったぜ…!」
天使(?)は何かに後悔し、うなだれた。
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