夏目という平凡な美術教師

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引っ越した翌日、夏目は街を散策することにした。 夏目が引っ越しするのは人生で四度目だった。一度目は親が離婚して母方の実家に越したとき、二度目は大学進学のため上京したとき、三度目は地元に戻って就職するために実家の近くに越してきたとき、四度目が今回だ。 夏目は引っ越すたびにまずは街を徘徊する。街のどこに何があるのかを把握していないと落ち着かないからだ。夏目はそういう几帳面なところがある。
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