例え話

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もう一度だけ君に逢えたら 叶わない空想をして、また無駄に泣きたくなる。 空が青いってのは、全人類共通の勘違いだと思うんだ。 だって今日とか灰色だし。 晴れてたって、ここらじゃ絶対青い空なんて見えやしない。 見たことないもん。 「ジュースどれが良い?」 「炭酸じゃないやつ」 「いっぱいある、どれ」 「お茶」 「おけー」 がこん。 自動販売機は、人間よりも偉い。 どんなに暑くてもじっとしてるし、ジュースが決まらなくてもチラチラ見てこない。 お釣り間違えないし。 「ばっかお茶ったらソーケンビだろっ」 「知るかよ、つか変な略し方すんな」 「いや普通だし。濃いお茶とか何だよお前‥っあー、テンション下がるっ」 一気に上がったように見えるの気のせいかよ。とか、冷めた突っ込みなんか聞こえない。 奢りなんだからわがまま言うなとか益々聞こえない。 俺は今テンションが低い。
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