看護学生時代

2/6
前へ
/88ページ
次へ
 K県のK看護学校に通う一年生の時の事です。 そこは学生寮で昔近くが墓地だったと噂がありましたが寮母さんは完全否定していました。 ある日夜中に共同のトイレにいくと自分が入った直後にバタンと隣のトイレのドアが閉まる音がしました。 しかし自分が用をたしている時も全く物音がしません。 不思議に思いながらトイレから出ると隣のトイレのドアが閉まっています。 しかし物音がしないので入口に並べてあるスリッパの数を数えてみることにしました。 自分の分をいれてそろっています。 トイレが使われていると数があいません。 急に背筋を冷たい風が通りました。 私は怖くなってすぐ近くの友人の部屋に飛び込み状況を説明しました。 友人と手をとり、もう一度トイレに確認に行くと閉まっていたトイレのドアは空いており誰もいません。 スリッパの数はさっきかぞえた通り変わりませんでした。 窓は閉まったままだし、自分がでて再びトイレに向かうまで誰も出入りした形跡はありませんでした。 しかしあまりに怖かったのであえて何も言わず解散しました。 トイレの不思議はそれ以来何もおこりませんでしたがやはり時々物音を聞いたという人はいました。
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!

37人が本棚に入れています
本棚に追加