第3話【食堂にて】

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 闇の帳が下りて、俺たちガンナーは解放された。今回の狩りでは7基のフライングターミナルが出動したが、幸いなことに俺たちの愛すべきモビーディックは生産成績第1位だった。インドラの生活空間を荒らして、ヴァジュラをかっぱらって、生産成績とはお笑いだったが、何事にも建前が必要ということなのだろう。  俺はちらほらと人影が見える、がらんとした広い食堂の端に座り、一人食器をつついている。多過ぎず、重過ぎない軽めの食事。それすらも、ゆっくりと噛みしめながら、少しずつ少しずつ飲み込んでいく。  極度の緊張状態を半日以上、休憩も取らずに実施すれば、大抵の人間はこうなる。食事も満足に取れないくらいに消耗する。
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