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ちなみバーツがシャワーを浴びていないのは、余裕がないからではなく、ただ単にシャワーが嫌いだからだ。その代りに微量ならざる香水を振りまいていて、俺の周囲の静けさは臭いの側から一気に失われてしまった。
呆れたことに、バーツの食器の上にはビールが並々注がれたジョッキがある。
「あきれたやつだな。アルコールなんて、よく飲む気になるな」
「馬鹿野郎。アルコールで毒気を抜くんだよ。お前こそ飲みやがれ」
「ものはいいようだな」
「ここの出来が違うからな」
まぁ、あだ名が詐欺師なんだから、悪知恵は働くんだろうな。俺はマイペースに自分の食事を続けるだけだ。アルコールは嫌いではないが、今日はゴメンだった。
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