2004年~夏~
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田舎のローカル線。 その単線をひた走る二両編成の車輪の中で、セミクロスシートに腰掛け、窓枠に頬杖をつきながら、車窓の外を流れる見慣れない景色を呆然と眺める。 車輪の前方では夏休み中の小学校だろうか、お婆さんに連れられた子供達が、木々の合間から現れた夏の海に歓喜の声を上げている。 海を見るのは何年ぶりだろう。 だというのに、気分は一向に晴れる様子もない。
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