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内海「誰のせいだと思ってるん…」
「湯川先生!」
内海が今にも叫ぼうとした時、内海の聞き慣れない声がした。
湯川「苫並くん。」
湯川のゼミの生徒、苫並碧(トマナミアオイ)だ。ルックスも頭もいいという。
苫並「もう授業始まってますよ。…アレ、お邪魔でしたか?」
湯川「いや、行こう。…君もくるかい?」
内海「え、えー…」
内海が言い淀んでいると、苫並は何か思い出したように、あっ、と声をあげた。
苫並「あ、そういえば。先生、ご結婚されると聞きました。おめでとうございます♪」
湯川「…あぁ。どうしてソレを苫並君が?」
苫並「石田先輩が言ってたんです。院生の石田明奈先輩です。」
石田明奈、というと元化学科だった湯川の熱狂的ファンだ。話から推測するに、彼女は大学院に進んだらしい。
湯川「君は石田君と仲がいいのか?」
すると苫並は顔を真っ赤にして、ヨソをみながら言った。
苫並「仲がいいというか…、…お付き合いさせて頂いてます。」
そんな会話を聴いている内海は、仲間ハズレにされてる気分だった。そのためか、つまなさそうな表情をしていた。
ソレを研究室のすぐ側で気づいたのか、内海の方へ振り返って言った。
湯川「…内海君」
内海「はい」
湯川「顔が変だ」
内海「…はぁ!?あーそーですか。どーせ私は女子大生みたいにかわいい顔じゃありませんよ!それじゃあ今すぐ私を振って、女子大生でも口説けばいいじゃないですか!!」
湯川「なぜそんなに怒る?本当のことを言ったまでであって…」
内海「あーはいはい、わかりました!先生みたいな人となんか一生結婚したくありません!!婚約解消ですっ!!!」
内海は扉を開けた。そこには、見渡す限りの物理学科の学生。
内海「…え…」
そして…
学生「えっ、内海さん湯川先生と別れるんですか!?」
学生「婚約解消って??」
学生「まさかの破局って事スか!?」
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