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絵✨蜜柑✨さん
文✨円する✨さん
済みきった夜空に、織姫と彦星が輝いている。
今日は年に1度の七夕だ。
町内の小さなお祭りに参加したあたしは、一緒に来ていた親友のあかりに思い切って尋ねた。
「ねぇ……海斗のこと、本当に良かったの?」
あかりが海斗に片想いしていたことは、ずっと以前からあたし達が共有していた秘密だった。
おっとりした性格の彼女に代わってキューピット役を買って出たあたしに、あろうことか海斗は告白したのだ。
事の顛末を知ったあかりは意外なくらい以前と何も変わらず、あたしの心に刺さったトゲは、ずっと抜けないままだった。
「仕方ないよ。海斗が誰を好きになるかは彼の自由だし。……お幸せにね🎵」
彼女によく似合う白い浴衣を翻し、あかりは朗らかに笑った。
のんびり屋の彼女が、今日は何だかずっと大人びて見えた。
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