七夕

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絵✨サダサネ✨さん 文✨*…さくら…*✨さん 一年に一度だけ渡ることの出来るこの日。 私は久しぶりに、おしゃれをする。 よりキレイに、よりセクシーに。 だって彼は、久しぶりに会っても触れてはくれない。 触れたとしても手を繋ぐのが精一杯で…… 私はいつも待ってるのに。 だって一年に一度だけしか会えないんだよ? もう何年も、何十年も、ただ二人で寄り添って手を繋ぐだけなんて、私はもう嫌だ。 いつもと違う短めの丈の衣に、髪だって少し巻いてみた。 彼は、ドキドキしてくれるだろうか? 星が連なり、道を繋いでいく。 この先にいるであろう彼を思って、私の方がドキドキした。 ゆっくりとこちらに向かってくる彼を見つけると、急にこの格好が恥ずかしくなる。 羽織っていた羽衣で、前を隠すようにすると、ちょうどその時、彼が私の前に現れた。 「織姫……?」 「……はい」 真っ赤になって俯く私の肩に、彼の手が触れる。 「すごく……きれいだ」 その言葉に思わず顔を上げると、そこには彼の顔。 一瞬のうちに唇を奪われる。 ――作戦……成功。 頭の中でそんなことを思いながら、私は彼の甘い甘いキスをゆっくりと味わった。 image=454681939.jpg
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