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咲の言葉が全く理解出来なかった。
何故、何故とクエスチョンマークが頭の中を埋め尽くす。
「この姿では分かりませんか、では……」
そう咲がいった瞬間、銀色のベールが咲を包みそこには白い子猫がいる。
「は? えぇっ…………あああぁぁあ!」
トコトコと歩き、ひょいっとベッドに小さな身体で飛び乗り俺の膝の上まで来る。
「お前、俺が飼っていたサキか……」
「はい、ユート様に飼っていただいていたサキでございます」
実際に撫でたり抱いたり触ってたらこれは本当の事実で現実だとわかる。
しかし、疑問はまだ残る。
その考えを読み取ってか咲が喋りだす。
「私はこの時の為だけに今まで貴方を育て鍛えて来たのです」
「何でまたそんなことを?」
「いつ死ぬか分からなかった私を拾って下さり、世話をして下さったのもユート様です」
咲は決心と決意に満ちた目をしていた。
「だからユート様に恩返しをと思いやってきた訳です」
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