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「クックックッ……」
ついつい奇妙な声が漏れてしまう。
あれ程の衝撃をハートに受けたのだ、可笑しくて笑ってないとやってられない。
衝撃とは勿論に告白を断られた衝撃ではなく世界征服と地球滅亡を思い付いた時の衝撃だ。勿論だとも。
取り合えず笑っていても詮無いことなのだ。
このまま行けば悪役の三段笑いをやれるぐらいのテンションだ。
「クックックッ、フッフッフ、アーッハッハッ、……は? 」
思った通りに顔を空に向け笑っていたら突如に正面から衝撃が襲った。
この衝撃には失恋よりもナイスなアイデアを思い付いたものよりも軽いその程度の物だが何より鋭く突き刺さる様な痛みがはしる。
痛みにより悪役三段笑いを止め、焦り状況を確認する。
自分の上に覆いかぶさる様にニット帽を被った男が────
────俺の腹にナイフを突き刺していた。
「は? ……えっ、……ちょ」
痛みとは裏腹にそんな意味の無い言葉が口をついてでた。
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