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頭の中は混乱という思考でぐちゃぐちゃだ。
それでなくとも失恋で疲弊した俺のハートはボロボロのグチャグチャなのに……
あ、間違えた。
違う、違うのだ、今言った事は全くの嘘だ、嘘なのだ。
とまあ、こんな感じに混乱に陥っている。
「うぅぅ、死ねっ、死ねっ、死ねっ!」
人がまだ色々と状況を把握出来ていないというのに、このニット帽男は腹に刺さったナイフを何度も何度も幾度となく腹をめった刺しにしてくる。
本当に死ねる痛さだ。
痛すぎて腹の感覚がどんどんと遠退いて行く。
「あぁぁ、あぁあぁぁぁああ!」
「いや……、ま……てよ……」
逃げていくニット帽男に頑張って途切れ途切れながらも発した言葉は虚しく、ニット帽男は半狂乱気味に叫び走り去って言った。
これじゃあ余りにも呆気なく締まらない終わり方だ。
自分はまだ何もやっていないというのに……
────あぁ、死ぬのって怖いわ、こんちきしょうっ
そして俺は死んだ。
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