魔法世界、通称“魔界”

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 目を覚まし、身体を起こす。  少しの間、硬直、静止、  「なんじゃこりゃ……」  そして出た言葉は何とも気の抜けた言葉だった。  ただまあ、詮無いことだろう。  死んだと思ったら違う場所にいるのだ。  訳が分からなすぎて意味が分からない。  その上、記憶が混流している。  混乱していて混流しているのだ、手の付け所も無い。  詳しく説明するならば、この地球じゃない魔法世界、通称“魔界”だなんて呼ばれている世界で俺として今まで何不自由なく暮らしてきた“僕”に地球で死んだ“俺”が乗っ取ったみたいな感じで頭の中の記憶がグチャグチャのゴチャゴチャだ。  簡単に言えば多分こうだ。  魔法がある平行世界の自分に死んだ自分が憑依した。  ってことだろう。  「……どうしてこうなった」  はぁ、と溜め息を吐きながらも少し吐き現状の把握に努めるようにする。
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