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最後の言葉
次の日、父は冷たくなって無言の帰宅をした。
心筋梗塞だった。
あと半年で単身赴任を終えて戻る予定だった。
定年まで後5年。
二人でヨーロッパに旅行に行くために積み立てしていたのにと…母の悲しみかたは、まわりの涙を誘った。
私はまるで夢のなかにいるような感覚でいた。
もう動かない父を見つめ、最後に交わした会話をひたすら悔いていた。
通夜から告別式…
訳のわからない事ばかりだが、父の部下の方に助けてもらい、なんとか無事に父を見送る事が出来た。
父の最後を看取った部下の方が母と私を自宅へ送ってくれた。
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