訃報

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あれは何時ぐらいだったか… 夜中に電話の鳴り響く音に目を覚ました。 しばらくすると二階にかけあがってくる足音が。 子機を片手に母が私の部屋に飛び込んできた。 「お父さんが、お父さんが…」 それだけを言って、膝から崩れ泣き叫ぶ母。 良くない電話だとわかったが、最悪の事態を考えたくなかった。 だが、子機を母の手からとり、詳細を聞いた私は、やたらと冷静に事の次第を聞いていた。 社に戻り、トラブルを解決した父と部下は、軽く飲みに行ったそうだ。誕生日と聞いて、二軒目の店にくりだす途中で、突然父が倒れたと… 搬送先の病院で、そのまま亡くなってしまった事を他人事のように聞いていた。
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