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そんな訳で、バースデーパーティーの二次会は僕の新しく購入したマンションでやることになった。
パーティールームとかもある広い家だから来てくれるのは構わないんだけど……。
(せめてちゃんと入居した最初の夜くらいは1人でゆったり過ごしたかったな……。昨日は挨拶回りだけで結局店に泊まったし……。)
そんな今更叶わない願いを胸に、僕は香月くんや慎二を含めた特に親しい幹部やホスト達、数人を引き連れてエレベーターで部屋のある階まで上がった。
杜哉様――もとい慧くんも一緒に。
慧「すいません、なんか俺までお邪魔しちゃって…」
さっきはお店で他のお客様もいらしたから畏まったけど、慧くんとは香月くんのこともありよく話をして仲良しなので、普段はくだけた話し方をする。
「いやいや、むしろ慎二のバカが居なくなって慧くんが来てくれた方がいいよ」
慎「ちょ、蜜さぁーん!酷いですよぉ!」
「ウルサイ!バカ慎二!」
慎「蜜さぁーーんっ!」
泣きながら縋りついてくる鬱陶しい慎二を引きずりながら僕は自分の部屋へ歩を進めた。
「あぁ……もう!慎二、ホントに鬱陶し……あれ?」
慎「??蜜さん?」
やっと部屋へ通ずる廊下に着くと、僕は一瞬立ち止まった。
「誰だろ…あれ」
なんと、僕の部屋のドアの前で見覚えのない人影が床にうずくまっていた。
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