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香「そういえば蜜さん、慎二が二次会どうするかとか言ってたんですけど…」
「二次会?」
「蜜すわぁ~んっ!こんなとこに居たんですねぇ!?探しましたよぉ~」
「って、慎二?うわっ…お前、飲みすぎっ……!」
突然抱きついて来たのは新人ホストで僕の従兄弟でもある慎二(シンジ)。
既に出来上がってるらしくベロベロの酔っ払い状態だった。
のし掛かる慎二を小さい僕は必死で支える。
慎「だいじょーぶれすよ!まら飲めまぁすっ!」
「既に呂律回ってないじゃないか……というか重い!お前、僕より一回りも二回りもデカいんだからのし掛かってくるなよ!」
慎「じゃーあ、二次会、蜜さんの家でやるって言ってくれたらのし掛かるの止めますー」
「へっ!?」
ケラケラ笑いながら言う慎二の口から飛び出したとんでもない言葉に、僕は驚き過ぎて一瞬理解が出来なかった。
そのせいで既に酒のせいで思考回路がぶっ飛んでいる慎二は、その一瞬の沈黙を勝手に了承と解釈したのか僕から離れると、店のホスト達に二次会の会場が僕の家だと言い回っている。
「ちょっ…待っ、慎二ッ!!」
香「蜜さん…今更無理みたいです……」
「香月くん………」
慎二を止められなかった手を伸ばしたままうなだれる僕に、慰める様に香月くんが僕の肩にポンッと手を置いた。
慎二に…新しく引っ越したマンションの場所なんか教えなきゃ良かった…。
ピカピカの新居に浮かれて言いふらしていたあの時の自分が今は凄く恨めしい……。
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