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「慎二、離して」
慎「み、蜜さん!?」
まだ腰にぶら下がったまま固まっていた慎二の腕を振り解くと、僕はうずくまっているその人の傍へ駆け寄った。
「あの、大丈夫ですか?」
もしかしたらまだ会ったことのないお隣さんか何かだろうか。
でもこんな人……昨日挨拶に回った時には居なかった……はず。
声を何度か掛けてみたけど反応がない。
気を失ってるだけみたいだけど……。
香「蜜さん?どうしたんですか?」
「あ…えっと香月くん、折角来てくれたのに悪いんだけど…今日はみんなを連れて帰って貰ってもいいかな?」
僕の言葉にチラリと倒れてる人物を見やると一瞬で状況把握をしたのか、後ろで様子を伺ってる慎二や他のホスト達に何か告げて帰らせてくれた。
慎二も何か言いたげだったけど、香月くんに上手く言い含められたのか渋々という様子で帰って行った。
結局、後には香月くんと慧くんの二人だけが残った。
香「何かお手伝いすることはありますか?」
「えっと…とりあえずこの人を僕の部屋に運ぶの手伝ってくれるかな?」
香「分かりました」
慧「じゃあ俺が荷物持ちますね」
「ごめんね、ありがとう慧くん」
そうして気を失ってぐったりしているその人を、香月くんに手伝って貰って寝室へと運んだ。
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