143人が本棚に入れています
本棚に追加
「ふう…こんなものかな?」
あれから、僕のではサイズが合わないからと香月くんに着替えを借りて遅くなったから2人を帰らせ、いざ着替えさせようとしたら体中が痣や切り傷など怪我だらけなのを見てしまい、手当てをしてあげてから今までずっと看病していた。
何故看病しているのかと言うと、手当てをするまでに時間が経ちすぎていたのか倒れていたこの人が熱を出してしまったからだ。
「……それにしても酷いことするなぁ」
手当てするのに濡れたタオルで拭いたので改めて少し綺麗になった顔を見てみると、明らかに高校生か大学生くらいの顔立ちをした青年だった。
かなり酷い怪我だったので、理由は何であれ袋叩きにあったには違いない。
「………早く良くなるんだよ」
苦しげに呼吸を荒げる彼にしてあげられることは少ない。
せめてこの祈りが届きますようにと、僕は苦しげに眠る彼の頭を空が白んできても撫で続けた。
.
最初のコメントを投稿しよう!