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「できたー!!」
勢いよく車のドアが開く。
由莉はパソコンごと一條に渡す。
「終わりました!!」
車から降りようとする由莉を、一條が押し戻す。
運転席に乗り込んだ一條に由莉が尋ねた。
「どうしたんですか?」
「店の名前は?」
「は?」
「店の名前を教えてください。車を飛ばせば今からでも間に合います。」
ハンドルを握る一條の横顔を、由莉は不思議そうに見つめた。
「一條さんって意外といい人ですか?」
「見た目通りのいい人ですよ。」
思わず吹き出した由莉の頬を、一條は思い切りつねる。
「いひゃい!いひゃい!」
じたばたもがく由莉を尻目に車が急停止する。
「少し遅れたけど問題ないでしょう。ほら、早く鞄持って。」
後部席にのせてあった鞄を渡され、由莉は車から降りる。
「あの……ありがとうございました。」
「こちらもエッセイを一本追加しましたし、その埋め合わせです。」
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