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「おーい、そのー!お前便所なげーよ……って、早川さん?」
がっしりした体型の先輩らしき男が驚いて身を乗り出した。
「えっと……宮本先輩ですよね?」
由莉が尋ねると、男はさらに驚いて、思わず立ち上がった。
「めったに部室来ないのに、よく俺の名前覚えてくれてたね!わが旅行サークルで俺の名前を覚えてくれてるのは早川さんだけだよ。」
職業柄、とは言えないので、由莉は笑ってごまかした。
「宮川先輩喜びすぎですって~。」
「宮本だってば!」
園田は笑いながら宮本の隣に腰をおろした。
「早川は何飲む?」
「えっと……ウーロン茶を。」
「オッケー。」
園田は不思議な機械をいじりだす。
「それはなに?」
「これで注文するんだよ。」
園田は画面を由莉に見せた。
世の中便利になったものだ。
感心して頷く由莉を、宮本は面白そうに見ていた。
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