第一章

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「そういえば早川さんが飲み会に参加したのって初めてだったね。」 由莉は宮本の言葉に頷く。 「どうかな、初飲み会は?」 「そうですね……いろいろな人がいて面白いです。」 宮本と園田は顔を見合わせ笑った。 なにが面白いのか由莉には分からず、いつのまにか運ばれてきていたウーロン茶をためらいがちに飲んだ。 「いいね!早川さんいいよ!」 園田の背中を叩きながら宮本が豪快に笑う。 園田は痛そうに体をよじりながら言った。 「でしょ?俺一年生のときから早川のこと大好きだったんですよ~。」 園田の無邪気な笑顔につられて、思わず由莉も笑った。 園田健一、か。 次回作は園田のような好青年が主人公の純愛にしようかな。 もちろん、何かと邪魔をしてくる嫌なライバルには一條のようなキャラクターをもってこよう。 宮本のような登場人物もいい。 きっと話を盛り上げるいい味をだしてくれるはずだ。 頭の中の引き出しにアイディアをしまうと、いつもわくわくする。 書きたいものはたくさんあるのだ。 あまりにたくさんあり、一生かけても書ききれないかもしれない。 それでも心が躍る。
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