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「は~い、ストーップ。」
一條が逃げだそうとした由莉の腕を掴んだ。
「なんで逃げようとするんですか?」
「え?いや、ほら……ちょっとお手洗いに行きたいなー、なんて。」
「我慢してください。」
一條はこれ以上ないほど清々しい笑顔だ。
「そんなことより、今回の締め切りがいつだか分かってますよね?」
「ははははは……。」
「今回こそは守ってくださいよ?」
「努力するっていうか、善処するっていうか、心がけるっていうか……。」
あさっての方角に視線を泳がせる由莉に対し溜息をつき、一條は手を離した。
「今日だって『ネタが思いつかないから人間観察する』って言って呼び出されたっていうのに。」
「べつに呼び出してないです!なにしてるか聞かれたからそう答えたら、一條さんが勝手についてきたんじゃないですか。」
「だって締め切りをごまかすための手だって分かってますから。」
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