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『俺、彼女に振られてさぁ...気分最悪で泣きそうって時に、お前が言ったもんだから』
『彼女に振られたんですか?』
『ん?...あぁ、何か愛されてないとか言われて』
そう言って本当は辛いはずなのに無理矢理に笑っていた。
その顔は、どことなく悲しい....
聞いてはいけなかったような気がして
急にギュッとなった。
もうしわけなさすぎて
少しうつむく私
『俺...不器用だから仕方ないよ』
『そんなことないですよっ!!...分かんないけど...』
『ぶはっ...くくっ..』
『な、何ですかぁ!?』
いきなり笑われて
ムッとした。
『お前、名前は?』
『へ?えぇっと..日向』
『ひなちゃん気に入った』
そう言うと私の頭をクシャクシャに撫でた。
『うわぁっ』
私は、急いで乱れた髪を手でなおす。
『ありがとな』
『へ?』
優しい笑顔は、どことなく暖かくて心がホッとした。
『いえいえ』
私も笑顔でかえした。
たぶん、とびっきりの笑顔で....ね。
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