序章~少年決闘者~

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朝の日差しの中、一人の少年が道を走る。 その少年の額には汗が煌めき、その手には板状の機器が装着されている。 その機器の名はデュエルディスク。 これは、この世界の最重要物であるカードを使い、戦うための道具である。 デュエルディスクとカードを持つものを、人はデュエリストと呼ぶ。 この少年もデュエリストなのだろう。 太陽を反射し、光輝くデュエルディスクを揺らしながら、少年は走り続けた。 少年はある程度走ると、目的地を見つけたのか、ゆっくりとペースを落とし出した。 そして、少年はある店のドアに手をかけ、大きく開いた。 「おはようございます!」 少年の明るく大きな声が店内に響き渡る。 「おう!今朝は早いな!」 返事を返したのはカウンターを挟んで、男らしい笑みを浮かべる二十代前半の男だった。 「今日は特別な日ですから。」 少年はニコニコと笑みを浮かべている。 「そうだな。今日はこの町最大の祭だからな。」 男は頷きながら答えた。
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