33人が本棚に入れています
本棚に追加
そう、今日はこのカードショップ『超満足』で、カード大会が行われる日である。
しかも、この大会は結構長い歴史があり、他の町からも大勢の決闘者が参加する。
だから、この大会に優勝することは、世界一の決闘者の称号である『デュエルキング』に近づくということなのだ。
かくいうこの少年もデュエルキングを目指す一人であった。
「デッキの調整は上手くいってるか?鉄哉。」
この少年の名前は、矢倉鉄哉。
普通の少年であるが、時折素晴らしいデュエルを魅せる決闘者である。
「もちろんです。この大会のために調整して来たんですから!!」
鉄哉は親指を立てて男に答えた。
「それなら良い。お前にデュエルを教えた身としては、できれば勝って欲しいからな。」
この男は、この店の店長であり、鉄哉のデュエルの師匠でもある。
周りには常にテンチョーと呼ばれ慕われている人物であった。
「まぁ、正直なところ、ちょっと回し足りないんですけどね。」
鉄哉は恥ずかしそうに頭を掻きながら答えた。
「そうか?なら今、俺と回してみるか?」
テンチョーは親指で自分を指しながら、鉄哉にデュエルを申し込む。
「いいんですか!?」
鉄哉はカウンターに乗り出して、再度テンチョーに確認をとる。
「ああ。まだ大会の時間や、開店まで時間はあるからな。ついてこい。」
テンチョーは笑いかけながらカウンター裏に回るように催促し、カウンターの奥に入っていった。
「待ってください師匠!!」
鉄哉も慌ててカウンター裏に回り、テンチョーを追いかけるように奥に入っていった。
最初のコメントを投稿しよう!