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「っん、ぅ?」
見慣れた天井、嗅ぎ慣れた匂い。
自分の家やと気づくのはすぐで‥‥いつ帰ってきたんやろ?
昨日おーくら待ってたら渋やんきてくれて、…僕どうしたん?
それにしても頭が痛くて体が熱いような気がする
「あ、起きたんか」
「渋やん僕…」
「お前たぶん風邪。今日は仕事休めよ。もうマネージャーに連絡したからな」
「…ありがと」
「お粥作ったから食べ?」
「ん。いただきます」
渋やんが作ってくれたお粥は優しい味がして、なんでか涙がとまらん
「やす、これからどうする?」
「っお、くらとは‥わかれて、ここ‥っ、でてく」
「んなら俺ん家こい」
「でも、渋やんに迷惑…」
「あ゛ー!そんなん考えんでいいねん。新しい家見つかるまで一緒に暮らそや」
「ふぇっ、しぶや、あり‥がと!」
この人はどこまで優しいんやろ。ぽんぽんって頭を撫でられて涙を拭ってくれた
「そうと決まれば荷物積めななっ」
「そんなん僕が自分でやるからいいよ!」
「病人は寝とけアホ」
そう言って僕の服を段ボールに入れ始めた。
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