緑×青

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ども。はじめまして安田です。 いやぁ、綺麗な夕焼けですね。 今日は仕事休みやから近所をぶーらぶらしてます。 「あれ、こんな店あったっけ?」 いくつか店が並ぶ中に見たこともない小さな雑貨屋さん?っぽいのがあった。 なんか不思議な雰囲気に惹かれて中に入れば ―‥わん! 「、え?」 まさかのペットショップ。 店に入ったら茶色いわんちゃんがお出迎え。 わ、この子めっちゃかわえー顔してる 「あ、ヒナっ!客来た客ー!」 「そんな大声出さんでも聞こえとるわ!!てかお前、ただをゲージから出すなゆーてるやろ!」 「俺が出したんちゃうわ!」 肌の色が白くて唇がぽってりした人と八重歯とたれ目が印象的な人が言い争ってる。 その間も茶色いわんちゃんは僕の前から動こうとせんと、じっと見つめてきて尻尾をぶんぶん振ってる。 「ただ!!!」 「‥くぅーん」 なぜか突然、八重歯の人が怒鳴って目の前のわんちゃんが僕の後ろに隠れた。 「ゲージから勝手に出たあかん言うとるやろ。早よ戻り」 「わん!」 「はぁ?‥ちょ、よこ。ただがこの子がいい言うてる」 「ふーん。いい子そうやしええんちゃうか?」 なんか僕、巻き込まれてる? 八重歯の人、深刻そうな顔してるしどないしたんやろ。 「‥君、ちょっといい?」 「あ、はい」 「そんなとこ突っ立たんとそこ座りー」 八重歯の人の言葉に従って近くにあった椅子に腰かける。 するとわんちゃんが僕の膝の上に顔をのせて眠りだした。 「えーと、言いにくいねんけど、こいつ引き取ってくれへん?」 「‥‥‥‥はい?」 _
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