-決まった朝-

9/17
前へ
/175ページ
次へ
翌日。 私は今、院長室の前にいる。 この病院では、退職届けを出す時は、院長先生に、直接渡す規則になっているから。 さっきから、緊張しまくりで、お腹が痛い。 でも、ここを乗り越えなければ、先に進まないし・・・。 ええーい!!成るようになれ!!!! そう、自分に言い聞かせ、ドアをノックした。 トントン 『はい。』 奥から返事が聞こえ、中に入る。 佐代子:『失礼します。』 院長:『北山さん。 どうされましたか?』 優しい風格をされた、院長先生。 佐代子:『院長先生。 急で、申し訳ありませんが、辞めさせて頂きたいんです。』 院長:『辞める?』 佐代子:『はい。』 院長:『理由は何ですか?』 やっぱり、それ聞くのね(汗) 佐代子:『母の仕事を手伝いたいんです。』 院長先生:『お母様の仕事?』 佐代子:『はい。 相談を受ける仕事です。 まぁ、母は教師でもありますが。』 院長:『そうですか。 解りました。 この退職届けは、受理しておきます。 今まで、ご苦労様でした。』 佐代子:『急で申し訳ありません。 1ヶ月間は、契約通り、働かせて頂きます。』 院長先生:『はい。』 佐代子:『失礼します。』 そうして、院長室から出た私。 一気に緊張がとれて、腰抜けそう。 あと1ヶ月、頑張るか!!
/175ページ

最初のコメントを投稿しよう!

260人が本棚に入れています
本棚に追加