3人が本棚に入れています
本棚に追加
「ふっ、全然わかってないな。この味の調和が解らん人がまだいたとは」
「うんっ、思ったよりどうでもいい解答だったからいいや。さっ、どいたどいたぁ!」
対応が寂しいな、おい。
「う~ん、じゃっ、サンドイッチ一つとカフェオレお願いしま~す」
邪魔だと言わんばかりに俺は押しのけられ、テルは案外少食系な注文をした。
「さっ、さ、タケちゃんもちゃっちゃと買いなよ!」
振り向くと、俺とテルの後ろで並んでいた久住は、財布の中身を見ながらなにやら、ふるふると小刻みに震えていた。
「無い…っ!俺の金が、ねぇ!!」
おっと、家にでも忘れたか?
残念なことで。
「金貸してやりてーけど…持ってきた分は今使っちまったな」
「私は持ってるけど今日カラオケ行くんだ~、タケちゃんゴメンネ!ま、とりあえず教室戻ろうよ」
枯れ木みたいにしおしおになっていく巨人は、さすがに少しかわいそうだった。
最初のコメントを投稿しよう!