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「大っ嫌い」
散々とした日差しのなか、沢山の木々に囲まれて、気持ちの良い木洩れ日の下の神社の前でその言葉は放たれた。
言葉を放ったのは七、八才くらいの小さな少女で、髪は綺麗な栗色で肩にかかる程度、目は大きくてパッチリとしていた。
だがその目は涙を流しながら真っ直ぐ俺を見ている。
俺は八歳の少女と自分の背丈が同じ位だということに気づく。
気づいたと同時に、自分の過去の記憶であることを悟る。
あぁ、またこの夢か。
少女は泣きながら神社の階段を駆け降りて行った。
俺は呆然と、その後ろ姿を見続けた。
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