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稲妻町、鉄塔広場。そのシンボルの鉄塔の上で豪炎寺と円堂は雷門中のジャージ姿のまま座り込んでいた。
沈みゆく夕日に手をかざし、円堂がぽつりと呟く。
「なんか今日は特訓する気にならないな…」
「珍しいな…円堂が特訓しないなんて」
「…いろいろありすぎて、さ。あっという間……だったから」
遠い目で稲妻町を見つめる円堂の瞳は綺麗なオレンジ色に染まっていた。
「まあ……な。本当に俺達…強く…なったからな」
「…それはお前が一番感じてるはずだよ、豪炎寺。」
隣に座っている豪炎寺の肩に手を置き、それからたっぷりの沈黙の後に抱き締める円堂。
「……おかえり、豪炎寺」
「あぁ……ただいま、円堂」
抱き締められた豪炎寺も円堂の背に腕を回し、優しく抱き寄せる。
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