屋台と、ボールと、家族と、

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 それに関心しながらおじさんと彼のやり取りをみていると、なんだか私たちが子供みたいな言い方をされていたので、さりげなく言い返しておいた。スーパーボール掬いをやりたがる17才に言われたくないわ、小さくヤクモにだけ聞こえるように言えば、彼は笑いながらリンゴ飴を持ってない手で頬をつねってきた。 「ちょ…ひはいひはい!」 「あのな……スーパーボール掬いの何が悪い!スーパーボールは人類最高の発明だぞ!それを掬うというあの斬新な発想の素晴らしさがわからないのか!」 「もー! 二人共、大人気ないですよ!」  わいわいきゃーきゃー  頬をつねたりつねられたりする攻防を繰り返すも、何故かいつも以上に反射がいいヤクモは見事に私のつねりをかわして逆に私の頬をぎゅむりとつねる。これがリンゴ飴の力なのか!なんてバカなことを思っていると、仲裁に入ったのは以外にも屋台のおじちゃんだった。
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