屋台と、ボールと、家族と、

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「かっかっか!お父さんも大変だなぁ!娘さんも反省してるようだし、離してやんなよ。 ほれ、チョコ多めにしといてやったから」 「あ、すいません。ありがとうございます」 「僕のは…」 「ボウズにゃ、このトッピング多めのチョコバナナだ」 「わ! ありがとうございます!」 「お嬢ちゃん! あんまりお父さんを困らせんなよ! ほれ、チョコとトッピング多めだ。他の客には内緒だぞ?」 「え?あ、ありがとうございます!」  若干おじちゃんのセリフに疑問を覚えながらも、来年もまたおいで!なんて爽やかに笑うおじちゃんに毒気を抜かれ、ヤクモと仲直りしてから軽く手を降り、三人仲良く並んでその場から立ち去る。チョコパインを軽くかじって、まるで何事もなかったかのように会話をする。ちょっと不思議な感じがした。  歩きながら、先ほどのおじちゃんのセリフを頭で軽く考える。それはどうやらセイタ君も同じで、チョコバナナが生ぬるいやらトッピングのバランスが悪いやら言いながら、時々「お父さん…」と呟いていた。まぁ私は考えても結論は同じなので、ニヤつく口元を必死でパインを食べることに集中することにしたが、どうしても耐えられそうにない。もういっそのこと話してしまおうと、二人に声をかけてみる。ヤクモは、苦い顔をして口を閉じていた。
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