もしも○○が○○だったら

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伏魔殿にて 「あ、セイタくーん!」 「あれ、早紀さん!」  定期的に行く伏魔殿で、位を上げるためにタクハと妖怪を斬り倒しながら奥に進むと、9、10メートル先に見覚えのある小さな少年を見かけた。  もしやと思い声をかけてみれば、やはり彼は同じ天流闘神師のセイタ君だった。  すぐにかけよって挨拶を済ませ、伏魔殿を歩きながら話を進める。セイタ君は体が弱いので、なるべく私達が妖怪を多く退治することにした。  タクハには申し訳ない気持ちでいっぱいになったが、彼はその気持ちを汲み取ったのか、また強くなっちゃうね、なんてにっこり笑いながら私に言った。  ちょっとだけ、気が楽になった。 「そういえば、さっきから誰かに見られてる気がするんですよ……」 「え、うそ、なにそれ怖い」 「そうですよね、伏魔殿に人なんて早々いるわけないし……なんでだろ……」 「……伏魔殿に、人?」  若干嫌な予感がした。 「……セイタ君、ちょっと待っててね。 タクハ、セイタ君を守ってて」 「あいさ、わかった」 「え、ちょっ……えぇ?」  なんとなく、ホントになんとなくだ。  私達が止まった場所から2、3メートル離れた右側の壁沿いにある、人が一人隠れられるぐらいの大きな岩に向かって歩いていき、その前で歩みを止める。  そばに落ちていた石を一つ拾って、それを強く握りしめてそのまま振りかぶり、私は石を投げた。  私の左側の壁に沿いにある高さ50センチ程度の岩に向かって。 「ぐはっ!」  私の投げた石は見事に命中。その岩に化けていたヤクモの頬に綺麗に当たった。  私はすぐにかけよると、やつの胸ぐらを掴み何故セイタ君を着けたのか理由を問いただすことにした。 「やっぱりあんたかぁぁ! 伏魔殿の中で人って言ったら、あんたぐらいしか思い付かなかったからもしやと思えば……!」 「よくぞ見破った! 流石は早紀だ!」 「聞いてねぇこいつ!」 一旦闘神符でヤクモを動けなくして、セイタ君達を少しだけ離れた場所に行かせ、もう一度尋問を開始する。多分、まともな答えは期待しないでおこう。  
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