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「なにかあったんですかね?」
ハルヒが鏡夜に聞く。
鏡夜はしばし考えて喋り出す。
「確かハニー先輩はうさちゃんを持っていなかったな」
それにいち早く反応したのは質問をしたハルヒではなく、1人部屋の隅で泣いていた環だった。
「鏡夜!それは本当か!?
そうだとしたら俺の推理の信憑性がぐんと上が……」
「「るわけないじゃん!」」
環が言い終わる前に光と馨が絶妙なツッコミを入れる。
「自分、ちょっと探して来ますね!」
そう言ってハルヒが扉に駆け寄ると急に扉が勢い良く開き、ハニーとモリが入ってくる。
ハニーの目は赤く充血しており、かなり泣いたことが見てとれる。
「ハニー先輩!
一体なにが…?」
「うっ…うっ…ハルちゃぁぁぁん!!」
ハニーは大粒の涙を流しながらハルヒに抱き付く。
「だからなにが…?」
「うわぁぁぁぁん!!」
ハルヒがいくら理由を聞いてもハニーが泣きじゃくっていて会話にならないのを見かねてモリが喋り出す。
「光邦のうさちゃんがなくなった」
「「「「「…………!?」」」」」
部員全員にどよめきが走る。
ただ1人環だけは推理が少し当たった!などとわめいている。
「ハニー先輩のうさちゃんって…」
『確か亡くなったお祖母さんの形見とかって噂の…』
光と馨が顔を付き合わせて言う。
表情はかなり強ばっている。
その理由は前にハニーのうさちゃんに紅茶をこぼしてしまい、黒いハニーをその目で見てしまった恐怖が未だに残っていることにあった。
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