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「ハニー先輩!まずは落ち着いて!!」
ハルヒが必死に泣きわめくハニーをなだめる。
「光邦をたのむ。俺はもう一度探してくる」
モリはハニーをハルヒに任せてそそくさと第三音楽室を出ていく。
しばらくするとハニーも泣き疲れたのかすやすやと眠りだした。
「ふぅ…ようやく落ち着きましたね」
「ずいぶんと走り回ったようだからな」
「でも一体誰がうさちゃんを?」
『物好きもいたもんだねー』
ハルヒと環、双子が眠っているハニーを囲んで話す。
「いいのか?ハニー先輩は寝起きが最悪なんだぞ?
それに加え今はうさちゃんもないしな」
鏡夜がペンを走らせながら言う。
鏡夜も寝起きが悪いが、ハニーもそれに匹敵する程寝起きが悪く、普段の彼からは想像もできない性格になる。
ましてや大事にしているうさぎのぬいぐるみなしの状態ではそれが更に悪化するということは環でも理解できた。
「ままま、まずいよ殿!!」
『このままだと僕ら大変なことに!!』
「おおおお、落ち着け!!
とりあえず俺のくまちゃんを…」
環が大事にしているくまのぬいぐるみをそっと寝ているハニーの横に置く。
「「いや、それ成功したことないじゃん」」
「とにかくみんなで探しましょうよ!!」
環と双子がコントをやってる間にハルヒはそう言って、急いで第三音楽室を出ていく。
「そうだねー…じゃ殿!」
『ハニー先輩の子守り、任せたよ!』
光と馨はそれだけ言ってダッシュでその場を去る。
「ちょ!お前らずるいぞ!!」
こうなったら鏡夜に、と鏡夜を探すとすでに鏡夜は扉の前に立っていた。
「俺も不審な人物がいなかったか調査してくる。
留守番は任せたぞ、頼れる部長…いやキング」
「っ!!……まっ、まあキングの俺ならハニー先輩の子守りくらいどうってことないがな」
嬉しそうに頷いて環が部屋に残る。
明らかに鏡夜に乗せられたことには全然気付いてもいなかった。
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