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「…………むかつく!!」
私は頂上に着くと竜をにらみつけた。
竜は私が怒っているのを悟ったようで目を合わせようとしない。
「……ち、調査を始めるぞ。」
竜が八丈寺へ足を進めながら言った。
「分かってるわよ!」
私は先を歩いていた竜を抜かして八丈寺に入った。
「…………誰もいないみたいだな。」
「…そうね。」
………おかしい。さっきここから男の叫び声が聞こえたのに。
「……!!赤音!ちょっと来い。」
竜の声が奥の方から聞こえた。
「何よ。………!!」
そこには、明らかに他の襖とは違う、ボロボロの襖があった。しかも、何枚もお札が貼ってある。
「……何だこれ。」
竜もさすがに驚いているようだ。
「……どうする?開ける?」
「ああ。ここまで来て開けないわけにはいかないだろう。」
「……そうね。」
私が襖に手をかけると、
「待て。俺が開ける。」
竜が私の手をどけて襖に手をかけた。
「………。」
私が今までで最恐の目線を送ると、
「……い、いくぞ。」
竜は私をチラッと見るとすぐに目線を戻した。
「……どうぞ。」
私が返事をすると、竜は襖を勢いよく開けた!
そこには……。
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