第1章〈任務〉

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次の日、竜は自分の家で歩き回ったり、立ち止まったりを繰り返していた。 「休むって何をすればいいんだ?」 「…城へ行こう。」竜は家を出てゆっくりと城に向かって歩き出した。 その頃、城では、一人の女忍者が任務を受けていた。 「それで、私の任務は?」女はまっすぐな目で業平を見つめた。 「今回の任務は、八丈寺の調査だ。」業平はゆっくりと口を開いた。 「八丈寺?」 「ああ。最近あそこに不審な武士を見かけたという情報がある。八丈寺は我等の敷地内であり、村人も利用する。」業平は険しい表情で言った。 「では、村人のために…?」 「そうだ。もしあそこに悪さをしている者がいれば…………殺れ。」 「…分かりました。では行ってまいります。」女はそう言うと外に跳んでいった。 しばらくして、竜が天守閣に駆け込んできた。 「業平様!ご無事ですか?」竜が慌てた様子で聞くと、 「……え?」 業平はぽかんとしている。 「今、女忍者がここから出て行ったので…」 竜が安心した様子で言うと、 「あれはわしの使いの者じゃ。」 「……え?」 竜はさっきの業平と同じ表情をした。 「あれはな、わしの使いで西園寺 赤音(さいおんじ あかね)と言う者だ。お前と一緒で忍びの者だぞ。」 業平は得意げな表情で言った。 「そ、そうだったのですか…。」 竜は呆れたように答える。 「…俺も行かせてください…。」 「ああ、構わないが…」 業平が言い終わる前に竜は外に跳びだしていった…。 これが全ての始まりだということを知らずに………
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