12人が本棚に入れています
本棚に追加
私の名前は、西園寺 赤音。今、八丈寺の調査をしている。
「あれが、八丈寺かぁ~」
八丈寺へと続く150段の階段を見上げる。
「…これ上がるの~?」
忍者とはいえ、階段を速上がりする術なんてない。
私は階段を小走りで登り始めた。
…70段ぐらい登ったときだった。
75段目の休憩場所に人影があった。
何か話してるみたいだ。
私はその人影に近づき、聞き耳を立てた。
「なぁ…この寺で何人も行方不明になってるって話知ってるか?」
「え!?そうなの!?早く帰ろうぜ!!」
「おいおい…。そうはいかねぇだろ。ここで見張りなんだからよ。」
「そうだった…。まったく…、上で何やってんだ?」
「さぁな。」
2人の会話が終わった時だ!
寺から男の声が鳴り響いた。
『うわぁぁぁぁぁ!!』
『こ、これは!!!』
上で何が起こっているのだろう。
とにかく早く上へ向かわなければ!
「に、逃げろぉ!!」
「ま、待ってくれぇ!!」
……忘れてた。でも、この2人は何もしてないし…。ま、いっか。
私が上へ向かおうと階段に足をかけたときだ!
「お、お前は……」
さっき逃げていった男の声が鳴り響く。
「何者だ!!」
『…………死ね。』
まさに一瞬だった。
2人の男は同時に私の視界から消えた……。
「あ、あなたは………?」
ゆっくりと階段を登ってくる1人の男。
黒の忍者服。足袋も黒だ。
全体が黒…かと一瞬思ったが、髪の色だけは真っ白だった。
いかにも怪しいその姿に、私はゆっくりと刀に手を持っていった…。
最初のコメントを投稿しよう!