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「……やっと着いた。」
俺の名は荒巻 竜(あらまきりゅう)。
今、女忍者を追って八丈寺に来ている。
「この階段は…150段ほどか。」
階段を登り始めたときだ!
頂上から叫び声が聞こえたんだ。
『う、うわぁぁぁぁぁ!!』
『こ、これは!!』
…再び階段を駆け上がる。
すると、2人の男が階段を駆け下りてきた。
「お、お前は……。」
「な、何者だ。」
チッ、おでましか。できるだけ殺生はしたくなかったが………。
先手を取り、刀を抜こうとした男を飛び越えた。
その隙に男の刀を抜き、後ろから突き刺した。
「う、うぅぅ…。」
その刀を抜いて、もう1人の男にも突き刺してやった。
「ぐわぁぁぁ…。」
「ふん!こんなものか。」
再びゆっくりと階段を登り始めた。
「ん?あれは……?」
見ると、休憩所に1人の女が立っていた。…刀に手を持っていっている。
「あ、あなたは…?」
これが俺と赤音の初めての出会いだった。
この時は、これから大切なパートナーになる人だなんて思いもしなかった。
赤音は黒髪のポニーテールに美しい顔立ち。
身なりは…赤い忍者服に…まぁ、全体的に赤だな。
「…お前が赤音か?」
「………そうだけど。あなたは?」
赤音が不機嫌そうに答える。
「俺は荒巻竜。お前を追ってここに来た。」
「私を?」
「ああ。業平様から任務を受けただろ?」
「あ、うん。」
「お前に任務を横取りされるのは嫌なんでな。」
「よ、横取りって……。」
「………それに、敵を簡単に逃がすようなやつに任務を遂行できるとは思えない。」
「……………。」
「怖いなら帰って良いぞ。」
「……………わよ。」
「え?」
「冗談じゃないわよ!!!!」
「!!!!!」
「だいたい横取りしようとしたのはあんたの方じゃない!勝手な事言わないで!!」
「………ふっ!」
赤音は顔を真っ赤にして階段を登っていった。
「ちょっ………待てよ!」
俺は急いで赤音を追った…。
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