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「だから、明日からは無視とかすんなよなー!」
帰ろう。
ちょっと落ち込んで、明日からはまた、前みたいに弁当のおかずをうばいにいく。それでいい。
踵を返して、走った。家まで全力で。
家について鞄を投げ、ボフンとベッドに横たわると、どっと疲れが増した気がした。
足がガクガクしている。マラソン長距離走り終えたみたいな、独特のふわふわした感じだった。
すごい疲労感だった。走ったせいだけじゃないだろう。
星野。おまえすげーな。
こんなに体力使うのに。
あんなほっそくて小さい体で。
星野だってできたことを、俺はそいつに背中を押してもらってやっとできたんだ、と思うと情けなくなった。
喉の奥が震える。こらえるためにごくっとつばを飲んだ。カラカラのときにつばを飲んだときの、あの独特の痛みが喉に走った。
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