10コクハク

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「だから、明日からは無視とかすんなよなー!」  帰ろう。  ちょっと落ち込んで、明日からはまた、前みたいに弁当のおかずをうばいにいく。それでいい。  踵を返して、走った。家まで全力で。  家について鞄を投げ、ボフンとベッドに横たわると、どっと疲れが増した気がした。  足がガクガクしている。マラソン長距離走り終えたみたいな、独特のふわふわした感じだった。  すごい疲労感だった。走ったせいだけじゃないだろう。  星野。おまえすげーな。  こんなに体力使うのに。  あんなほっそくて小さい体で。  星野だってできたことを、俺はそいつに背中を押してもらってやっとできたんだ、と思うと情けなくなった。  喉の奥が震える。こらえるためにごくっとつばを飲んだ。カラカラのときにつばを飲んだときの、あの独特の痛みが喉に走った。
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