2ガールフレンド

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 吉野くんはわたしの隣のクラスだった。  移動教室のとき、昼休みのとき、たまに会ったら挨拶してくれて、わたしはそれに答えながら、段々どきどきするようになった。  朝鏡をみながら、ちょっと髪型に変化をつけたり、吉野くん気付いてくれるかな、と思ったり、移動教室のときはこっそり吉野くんを探したり。  由紀はそんなわたしを見て「恋だねぇ」とコメントした。  それからちょっと経って、吉野くんといつも仲のいい女の子がいることがわかった。 「ちょっと吉野! あんたまた!」 「だっておまえんとこのうまいんだもん」 「だもんじゃない!」 「なんだよー、これからサッカー行くんだから離せよー」 「はなせよーってあんたねぇ。毎日毎日迷惑してんのよ、こっちだって!」 「はは、その辺にしとけよ、竹中」  廊下を見ると、女の子が吉野くんの腕を掴んで怒鳴っていた。  その様子を、吉野くんの周りの人が呆れたように見ていた。 「美桜子、気になるの?」  由紀が言った。わたしは慌てて取り繕ってそんなことないよ、と言った。『たけなかさん』は、吉野くんのことが好きなんじゃないかと、時々思う。  あんなふうに気兼ねなく、なんの緊張もしないで吉野くんと話せるたけなかさんが、うらやましかった。
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