8セナカ

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 顔が一気に熱くなるのがわかった。 「はっはー。かわいいなあ美桜子。そんな感じで誘っちゃえよ」 「ちょ、そんな、かるっ……」 「そんくらいしか思い浮かばないもん。大体、男なんて単純だからその気にさせたらあとはガバッとバクッとやっちゃえばいいのよ」 「ば、が、ば……やっ、いやー! ちょっとな、ななな、なんてことを」 「あー? 想像したのねこのスケベ!」 「ち、ちちちちがっ」  と、そのときは必死に抵抗したものの。  やっぱりよく考えたら(すごいエネルギー消費したけど)それしかないという結論にいたって。  吉野拓海の心を掴むために、わたしは今日家に誘った。  必死に誘ったのにクラスのレク企画があって待たせることになった。  事情を知っている由紀がニヤニヤしていて、わたしはもうレク企画どころじゃなくて。時計を何度も何度も確認して、まず買い物して、それからご飯をつくって。何度も何度も頭の中でシュミレートする。  我に返るたび恥ずかしくなって、を繰り返して、ようやくレク企画が終わった。 「いってらっしゃい」  由紀のニヤニヤにさらに恥ずかしくなりながら、歩くのがもどかしくて走る。
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