プロローグ

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なにが神だ、何が全知全能だ。何も出来なければ、無能と変わりないじゃないか。 彼は戦った。どんなに不利でも、どんなに絶望的でも。 彼は突き進んだ。どんなに理不尽でも、どんな逆境に立たされていても。 美しかったとは言わない。打ちひしがれて泥にまみれたこともある。負けて砂の味を噛みしめたことさえある。 だけど、何もできず、ただ見ているだけの無能な神よりは美しかったことだろう。 彼は戦った。神の代理人として。千年の時を経て、その責務を全うした。 そして・・・、その仕打ちはあんまりだろう。 彼の人生、彼の命を踏みにじっておいて、この結末は酷すぎるだろう。 彼は僕ら神のために、あんなに尽くした。なのに、最後の最後があんなのとは・・・。
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