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「ああなる程、これでサバイバルしろって言うんだな。何という優しさ・・・・・・せめてナイフ寄越せや!!」
思いっきり砂浜に叩きつけた。
「何でだよ、何で寄りによって木刀?!何も斬れねえよそんなもんじゃ!サバイバル舐めんな!!」
放置プレイにこの仕打ち。早くも心が折れそうだ、このやろう。
『まあまあ、落ち着いてよ。突然こんな世界に連れてきたことは謝るからさ』
「!!・・・誰だ!?」
どこからか、幼い男の子の声がした。360゚見渡したが、誰もいない。一体、どこから話しかけている?!
『それは後でね。そんなことより、早くそれをつけて。・・・来るよ』
来る?辺りを見渡しても、森といつの間にか近付いてきていたネズミが一匹だけだ。
「来るよって、何が?・・・・・・こいつらか?ただのネズミだっ―――!?」
一瞬の出来事だった。そのネズミが、飛びかかってきたのだ。――俺の、喉を目掛けて。
とっさに避けたから何ともないが、避けていたら喉を食いちぎられて・・・想像したくない。――ネズミはこんなに攻撃的だったか?
「こいつ、喉を狙ってきたぞ!?」
『そいつはただのネズミじゃないよ。それより、早くそれを装備して』
それ、とは確実にこの木刀と木の盾だろう。俺は急いでそれらを手に取った。
「シャアアアア!!」
ネズミとは思えないような鳴き声あげ、再び大きく跳躍し喉を目掛けて襲いかかってきた!
「・・・フッ!!」
手にした木刀を、乱雑に思いっきり横に凪ぐ。その軌道は、偶然にもネズミを捕らえていた。手にのしかかる小さな抵抗力。それを実感したときにはすでにネズミは宙を舞っていた。
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