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月曜日。
圧死するんじゃないかと思いながら、電車に揺られる。
ほんと、隙間というものがないし、親父が全体重をかけて体格差のある私にもたれ掛かったあげくに寝こけていると殺意を感じる。
これから仕事なんてやってらんないやーって思いながら、仕方なくイヤホンから流れる音楽に意識を持っていく。
ふっと日射しが顔を差して窓を見ると、そこには綺麗な青空。なんだか自分がアホらしくなった。
あー私、好きでもないのになんでいやな思いしてこの仕事してんだろーって思った。
いや、普段から思ってるけど、こんなに晴れた気持ちのいい空を見るとますますそう思えてきてしまった。
今やってる仕事は別にすきでも、やりたいことでも、なんでもない。
周囲もそうみたいだ。仕方なく会社にとどまっているだけで、いつか辞めてやる、そんな空気が充満している。
毎日のすし詰め地獄と、会社の空気がすごくいやで、どこかに逃げて、1から違う自分になりたい私がいて、そこでたまたま「彼」が私の目の前に現れたから、彼の手をつかんだだけで、たとえば新作のアニメやゲーム、ドラマ、自分磨きの習い事が目の前に差し出されたら迷わずそれを選んだだろう。
偶然って怖い。
や、偶然じゃなくて、追い詰められた人間の心理って怖い。
・・・結局人生ってそーいうことなんじゃないかとどうにもならないことを取りとめもなく考えて、萎えた。
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