メイド研修

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(4) 額の手当てをしてもらった後、制服を支給され、1人の女性を紹介された。 「こちらは、藤谷(フジタニ)カンナさんです。あなたの一年先輩にあたります。案内は彼女がします」 「よろしくお願いします」 頭を軽く下げる陽代に、嬉しそうに笑う。「こちらこそ」 ではお願いしますね、と言い残して去る香山メイド長の後ろ姿を見て、彼女は肩をすくめる。 「いつもながら、堅苦しいなぁ…ゴメンね、改めてよろしくね。でも良かったぁ、ようやく一番下の子ができた」 人懐っこい笑みを浮かべる彼女。茶髪のショートで、少し垂れ目に目元のほくろが印象強い。 (今のところ、歓迎されてるな……安心安心) 「あの女史…とゴメンね、香山さんは陰でそう呼ばれててさ。まあ、言葉使いはヤレこうだとか、掃除の仕方がザツだとか。髪が茶色っぽすぎるって注意されちゃてね…まあ、前瀬さんは髪も黒いし、大丈夫だね」 藤谷カンナは、歩きつつ、そうだとささやく。 「前瀬さんは、まあ特にきつい配置だしねー、精神的に。私だったら絶対無理」大きく頭を振り、「いくらハンサムな主人だって、性格がひねくれてて口が悪いのはお断り」 「ハア」
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