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休憩の時間、ぐったりとテーブルに上半身をあずける。頭から湯気が出そうなほどの内容に、完全にノック・アウト状態。
(まだ前半戦なのに…脳がいっぱいいっぱいだよ)
トイレにも行かねば、とヨロヨロした足取りで部屋を出て、階段を上っていく。
数分後、使用人専用のトイレから、さっぱりとした顔で出てきた陽代の目に入ったのは、木嶋執事の姿。
どうも様子がおかしい。
フラフラとした足で、廊下を歩いている。
「ちょ……!」
前に倒れそうになる彼を、走ってあわてて支えた。
「大丈夫ですか?」と声をかけるが、返事はない。
どうしよう、と焦っていたところに、香山メイド長が現れた。こちらの様子を見、駆けてくる。
「木嶋さんが急に倒れて。どうしたらいいかと…」
「熱があるみたい。休憩室へ一度運びましょう。前瀬さんはそっちの肩を持って」
冷静に彼の額に手を当てて確認し、迷わずに指示をしてくる。
ハイ、と返事をし、重い身体を2人がかりで運び始めた。
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